スピルリナと神経毒BMAAについての記事が、世界の統合医療界の権威 アンドリュー・ワイル博士のウェブサイトに掲載されていました。

青藻が作り出す神経毒、BMAAがスピルリナにも含まれるかもしれないので、スピルリナ等の青藻を摂取はしない方がいいという記事。

BMAAとは、青藻が作り出す神経毒素で、アルツハイマー病やALS (筋萎縮性側索硬化症)等の神経変性疾患発症の原因になっているのでは?という疑いが濃厚になっている毒素です。

 

市販されているスピルリナの約30%くらいにBMAAが含まれているのでは?と言われていますが、例えばこちらの論文にもある通り、10種類のスピルリナを調べたところ、BMAAは検出されなかったとあります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4130116/

実際、ほとんどのスピルリナはBMAAフリーと謳われており、検査機関を通してBMAAの有無を確認しているブランドがほとんどです。
ワイル博士が参照している論文の中で触れられているのは、チャモロ族が食べるソテツの種中のBMAA。
スピルリナとBMAAについては一言もないです。
http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/283/1823/20152397

もちろんBMAAに関してはこれだけのEvidenceが出ているから、注意深くなるのは大切だと思いますが、スピルリナに関してのこの記事は少しバイアスがかかっていると感じます。

もちろんスピルリナなんて摂らなくても死にゃあしないけど、スピルリナがBMAAを発生させるのには、ある一定の特別の環境下でと言われています。
例えば、窒素が不足しているような環境にわざとおいた時に、BMAAを発生するそうです。

ちなみにBMAAは鮫や貝類にも蓄積が目立つといわれます。

 

BMAAがアルツハイマーやALSの直接的外部要因になっている可能性が高い!というのはとてもセンセーショナルなニュースだと思うのですが、こちらの記事にもある通り、
“魚や海藻は、人類が昔から食べているもので、それだけを考えると、世界中でアルツハイマー病や ALS の患者の数が急激に増えている理由としては釈然としない感じもします。”

アルツハイマー病とALSの外部的原因の特定? : 青藻が作り出す毒素 BMAA が神経変性疾患発症の直接的外部要因として関与している可能性が濃厚に

以下の図は上記のサイトから拝借しました。

ALSやアルツハイマーって世界中で急増しています。
皆んなが皆んな青藻食ってる訳じゃないですし、まさか皆んなスピルリナ摂ってる訳じゃないよね???

外部的要因の1つとして取り上げられるのはいいのですが、なぜここまでALSやアルツハイマーが増えているのか?

増えているのはALSやアルツハイマーだけじゃないよね?
自閉症も発達障害も、アレルギーもアナフィラキシーも、ありとあらゆる難病も増えている。

では、50年前と今と何が変わったのか?

それは食生活かもしれないし、プラスチック使用の増加かもしれないし、空気にも水にも土にも散在する化学物質の存在かもしれないよね?
個人的にはそっちの要因の方が深刻だと思うので、『青藻のBMAAが!!!』と騒ぐよりも、普段の生活や食生活、そしてなるべく地球を汚さない生活を心がける事が大切になってくるのでは?と思います。

 

自然療法の権威であるアンドリュー・ワイル博士にはHuge Respectですが、もう少し事実も含めて、せめて疑問系で皆んなが自分の頭で考えられるように提示てくれたらいいのにねと思いました。
もちろんスピルリナを販売し、飲んでいる私も相当バイアスかかっていると思いますが!笑
何に関してもだけど、何かの記事を読んで、その記事だけで結論を出してしまうのは非常に危険。
一人の意見を聞いて、それを鵜呑みにしてしまうのも危険。

それはもちろん、私の投稿や意見に対してもです。
私はまず、目につく記事、論文があったら、そこに参照されている論文の原文を読みます。

で、そこからさらに色々と自分でリサーチします。

今回はアンドリュー・ワイル氏の記事から始まり、オリジナルの論文を読み(記事中にリンクがないのが大変不親切)、その論文にあった参照論文をいくつか読み、そこからBMAAに関しての論文やニュースをいくつか読み、日本語での記事をいくつか読み、20くらいの記事や論文に目を通した上で、分析し自分なりの結論を出しました。

自分の意見を立てるって大切なことです。

 

例え、一般的に偉いと言われる人と意見が違っても、自分の独自の意見を持つ事は大事。

以前記事にしましたが、何事もそうだけどCritical Thinkingが必要だと思います。

Critical thinking について考えてみよう。